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幽霊飛行船の侵略
1909年の前半、人々の心に強烈な衝撃を与えたこの幽霊飛行船の最初の目撃事件は、ケンブリッジシャー州の警官ケトル巡査が報告したものだった。3月23日の朝、彼がピーターバラのクロムウェル通りをパトロールしていたとき、遠くから自動車のエンジンの音が聞こえてきた。そのまま“ブンブンとうなる絶えまない大馬力のエンジン音”を聞いているうちに、彼はふと、それが頭上から響いてくることに気がついた。 上を見上げた瞬間、星空を背景に、まぶしいライトを取り付けた長い楕円形の物体が見えた。この不思議な空飛ぶ物体はすごいスピードで上空を通り過ぎ、たちまち見えなくなった。
人々は、このニュースに大きな疑問を抱いた。しかしこの目撃談は、その後の数多くの“飛行船”目撃事件の原形をなすものだった。それから間もなく、まぶしい強力なライトやサーチライトを取り付けた黒い物体が騒音を立てながら夜空を横切るのを見た、と報告する人が続々と現れた。この頻発する目撃報告に共通したもう1つの特徴は、不思議な目撃物に対する各種の解釈を、いともたやすく信じこむ自称専門家たちが多数いたことだ。ケトル巡査の目撃事件に関しては、ピーターバラ警察の警官が“コブドン通り近辺の上空を飛んでいた超特大の凧”がその正体だった、とマスコミに発表した。まぶしいライトは、凧に取り付けられたちょうちんだった、と安直な解釈が加えられた。 「でも、飛行船が猛スピードで飛び去った、という問題はどうなるんでしょう」と記者の1人が尋ねた。 「それは、ケトルがあんた方マスコミへのサービスにちょっと詩的な味つけをしたんでしょう。彼は公式にはそんな報告はしていませんよ。風にあおられていたので、凧が動いていたような感じがしたんでしょう」とその警官は答えた。 「では、ブンブンとうなるエンジン音については、どう説明しますか」と、まだ納得のいかない記者が質問した。 「ああ、それは」と、警官は立ち去るそぶりを見せながら、こう答えた。「コブドン通りにあるパン屋で一晩じゅう動かしているモーターの音ですよ!」 ケトル巡査の目撃報告を黙殺しようとするこの無難な見解が、目撃の直後に発表されていたなら、もっと重みもあっただろう。ところが、飛行船の謎に対するこの単純な解答に至るまでに、ピーターバラ警察は6週間以上もの時間を要したのである。どうやらピーターバラ警察としては、こんな信じられない話を真に受けてめんどうなことになるよりも、ケトル巡査を、凧と飛行船の区別もできないようなぼんくらに仕立てるほうが得策だと考えたようだ。 最初、ケトル巡査の目撃事件は、そのまま何事もなく忘れ去られるかと思われた。しかし5月の初めごろから、イングランド南東部一帯で飛行船の目撃事件が毎日報告されるようになった。その典型的事例が、C・W・アレン氏なる人物の報告であろう。5月13日、彼が友人数人と、ノーサンプトンシャー州のケルマーシュ村を車で通り抜けようとしていた時、ドーンという大きな音がした。そのあと頭上から、“ドルンドルンドルン”というエンジンの音が聞こえてきた。空は暗かったが、船首と船尾にライトをともした全長30mくらいの魚雷型の飛行船が見えた。飛行船はまたたく間に上空を通り過ぎたが、船体の下につるされたゴンドラと、その中にいる乗組員らしき人影が見えた。飛行船は、ピーターバラの方向へ消えた。 ほかにも同様の目撃談が数多く報告されている。しかし、この飛行船の正体はいったい何だったのだろうか。ツェッペリン伯爵の偉業は、イギリスでも有名だったし、当時ドイツとイギリスとは敵対関係にあった。こうした背景から、人々はすぐさま、将来の侵攻に備えてドイツの飛行船が偵察飛行にやって来たものに違いないと思い込んだ。 PR
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