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幽霊マンション2
そんなある夜、飲んでいて遅くなった友達を泊めることになった。
今夜は姉が留守だ。迷惑を掛けることもあるまい。
そう気軽に考えていたという。

幸い、エレベーターにあの女も乗っていない。
しかし友人は落ち着かない様子で、エレベーター中をキョロキョロと見回していた。
そしてポツリと呟く。
「変なこと聞くけどさ。ここ、何か出たりしないよね?」
この友達、広言こそしていないが、実はいわゆる“"見える人”であったらしい。

ははは、と笑って否定した直後、あっと気が付く。
・・・あの不気味な女の人、もしかして・・・

動揺を隠しつつ、何が見えるのか聞いてみた。
「・・・いや、箱の内壁なんだけどさ。黒い手形がびっしりと付いてるの。それも一人分じゃない。それこそ色んな人のが押されてる。中には指が満足にないのも多いけど・・・何があったのやら」

彼女も霊感が皆無な訳ではないらしいが、何も見えなかったという。
聞くんじゃなかったぁ。そう思いながらそそくさとエレベーターを降りたそうだ。

その夜中のこと。
微睡んでいると、いきなり横の布団で寝ていた友達が、彼女の布団に潜り込んできた。
そのままギュッと抱き付いてくる。

あらやだ。
・・・実は彼女、男も女も両方イケる口である。
この友達もそのことは知っている。これは手を出してもOKということかしら?
「スマン。だけどさ・・・変なことしたら怒るよ」と友達。
残念。が、まぁこれでも良いか。そのまま抱き合って寝たのだという。

朝目が覚めると、さすがに疑問が頭をもたげた。
ノンケのあなたが、昨夜は一体どうしたん?
「夜中にさ、眠れなくてぼんやり目の前の畳を眺めていたの。
 そうしたらさ、ホント目と鼻の先でさ、畳から何かがズルッと抜けてきたの。
 詳しくはよく見えなかったけど、多分、元ヒトだと思う。
 いや怨霊とか、そういう質の悪いモノではなかったよ。
 でもこっちに気がつかれて、憑かれても困るから。
 とりあえず隣の布団に逃げ込んだってワケ」

・・・それ、畳から抜けた後、どこ行ったん?
「そのまま上昇して、天井抜けてったよ。
 嫌なこと聞くけどさ。ここ最近、上の階と下の階で不幸がなかったかい?」

少し顔が引きつった。実は二週間ほど前に、すぐ上の部屋で飛び降り自殺をした人がいたからだ。でも、下の方は何もなかった筈なのね。

「あったよ、下の部屋で不幸」
朝方帰宅した姉が、サラッと答えた。へ?

「アンタつい先日、二日ほど空けたでしょ。その時、真下の奥さんが首吊ったのよ。理由は知らないし、知りたくもないけど。警察とか来て大変だったんだから。うちにも色々聞きに来たよ。アンタに教えるの、すっかり忘れちゃってた」

それだわさ。友達が納得した顔で頷く。
「立て続けに不幸が起こったモンで、通り道が出来ちゃったのね。
 それも何て言うか、変なモノが通ってる。霊道とはちょっと違うみたい。すぐに何かある訳じゃないだろうけど、越すことを考えてとくのも良いかもよ」

「越したばかりだから、先立つ物がねー」
「ねー」
姉と友達はごく普通な顔でそんな会話を交わしている。
・・・何でそんなに平然としてるの~?
それが彼女には少し、腹立たしかったという。
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