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幽霊マンション
彼女は半年ほど前に、とある山裾に造成されたマンションに引っ越した。
そこは部屋広さの割に家賃が格安で、姉妹二人で同居している彼女にとっては願ったりの物件であったらしい。
前の住人が几帳面だったのか内装も綺麗で、姉と二人で掘り出し物だと喜んだ。

「でもねぇ、何だかおかしい住民さんが居るみたいなのよねぇ」

引っ越しして間もなく、二人で夕食を共にした折、彼女はそう話してくれた。

「仕事が終わってさ、夜遅くに帰ってくるでしょ。
 うちの部屋は七〇六号、つまり七階なんだけど、当然エレベーターを使う訳ね。
 したら時々、変な女の人が乗っているのよ」

変な・・・って何がどう変なのさ?

「うー、とにかく不気味なの。一階で箱を呼ぶボタンを押すでしょ。
 じき箱が来て扉が開くんだけど、中に髪の長ーい女の人が立ってるの。
 奥向いてるから、顔とか年齢とかわからないけど、いつも同じ服格好してるん。
 ボサボサ髪で両手に沢山デパートの紙袋提げて、ヨレヨレの長スカート。つーんと鼻にくる臭いも、微かにだけどしてるの」

「話し掛けても返事がないしさ。それでも最初に出くわした時は、仕方がないから一緒に乗り込んだのね。七階のボタン押したんだけど、あちらさん何も反応も動きもないのよ。『何階ですか?』って聞いてみたけど、まったくの無反応なん」

「こっちも疲れてるから、それ以上は相手せずにいたのよね。
 したら、ブツブツとずっと小声でずーっと何か呟いているじゃない。勘弁してくれって感じだったの」

「二回目に出会った時は、もうさすがに一緒に乗る気はなかったん。
 だからそのまま扉が閉まるに任せて、ホールでそのまま待ったの。
 しばらくすると箱は上に昇っていったから、どこかの階で停まるのを確認して、もう一度ボタンを押したのね。そしたら」

・・・そしたら?

「もう一回降りてきた箱が開くと、またしてもその女が乗ってるん。
 奥の方向いたまま、ピクリとも動かないで」

う。ちょっとゾクリと来た。

「でしょ? もうとてもエレベーター利用する気になれなかったん。
 だから、非常階段で延々と七階まで。それも夜中に」

その後も結局、非常階段を使うことが何度かあったという。
聞けばどうやらお姉さんの方も、件の女性を目撃していたらしい。
この棟って、非常階段使う住民がかなり多いって管理人さんが言ってたけど、おそらくその皆さん、あの女の人に出会っちゃったんだと思う。
というのは姉の弁だ。

「害がある訳じゃないんだけど・・・あってからじゃ遅いし。何より不気味だしー」

そう言って彼女は頭を抱えていた。
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